■ はじめに:いまメモリ(RAM)が値上がりしている
2025年に入り DDR4/DDR5メモリが昨年比10〜30%の価格上昇 を見せています。
AIブーム、減産、円安が重なり、ユーザーの間で「今買うべき? もっと上がる?」と不安が広がっています。
本記事では
・高騰の原因
・今後の見通し
・買うべきタイミング
・ゲーマー・クリエイターへの影響
・実践的な節約対策
をわかりやすく解説します。
■ メモリ価格が高騰している主な原因
① 韓国メーカーによる減産・在庫調整
メモリの大手メーカーである Samsung・SK hynix・Micron は、2024年の供給過多を受けて減産にシフトしました。
これにより市場流通量が減り、価格が上昇しています。
② AIサーバー需要の急増と「HBM優先構造」
AIの学習には HBM(高帯域メモリ) が大量に必要です。
メモリメーカーはHBMの生産を最優先にしており、一般向けメモリ(DDR5/DDR4)は相対的に後回しに。
▼ HBM優先の影響をわかりやすく整理
- HBM製造ラインを増やすため、
本来DDR(一般PC用)に使っていた人員・設備がHBMに移動 - その結果、
DDR生産ラインの稼働率が下がり、供給が減る - 供給が減れば、
メモリ価格は自然と高騰
読者にも直感的に理解しやすくなる構成です。
③ 円安による輸入コスト増
PCパーツはほぼ輸入品のため、円安は価格へ直撃します。
1ドルの為替変動がそのまま店頭価格へ反映されやすい構造で、2025年も円安基調が続いているため値上がりは避けられません。
④ DDR5需要の急増とDDR4生産縮小
2024〜2025はDDR5が完全に主流へ移行。
DDR4は「生産縮小フェーズ」に入り価格が下がりにくく、市場にも出回りにくくなっています。
■ メモリ高騰はいつまで続く?【2025年の展望】
▶ 短期(〜半年)
高騰は続く可能性が高い。
理由としては:
- AI需要が加速しHBMラインが埋まっている
- 円安が継続
- メーカーのDDR増産が慎重
特に Samsung・SK hynix の2025年Q1/Q2見通しでは「増産計画はあるが、一般DDRへの割当増は慎重」 という姿勢が見られ、供給が急増する見込みはありません。
▶ 中期(1年)
HBMラインがある程度落ち着けばDDRにも割当が戻る可能性はあるが、劇的な値下がりは期待しにくい。
▶ 長期(2026年〜)
各社の新規工場が本格稼働すれば、市場の安定・価格下落が予想されます。
▼価格推移のイメージ図

※注:この価格推移は、DRAMチップの取引価格(契約価格)の動向を示しており、一般の店舗で販売されているDDR5 32GBキット(小売価格)は、現在$250〜$480(約3.8万円〜7万円)程度で取引されています。小売価格は、このチップ価格の上昇トレンドに従って値上がりを続けています。
■ 今は「買うべき?」それとも「待つべき?」
● 買うべき人
- 作業やゲームでメモリ不足を感じている
- 16GBで足りない場面が多い
- 時間・快適性の方が重要
- DDR5の高クロック帯を狙っている
👉 こういう人は 「待って損する」パターンが多い です。
● 待ってもいい人
- 16GBで特に不自由がない
- 32GBへの増設は“余裕づくり”が目的
- 数千〜1万円の差でも節約したい
👉 半年以内に落ち着く可能性もあるため“待ち”は合理的。
■ ゲーマー・BTOユーザーへの影響
● ① BTOのメモリ増設料金が上昇
「16GB → 32GB」のアップグレード費が上がり、
特に安価帯BTOでは割高感が強くなっています。
● ② AAAタイトルが32GBを前提にし始めた
Fortnite(UEFN)、CoD、Starfieldなどでは32GBが実質必須に。
● ③ ゲーマーの“標準ライン”が上がる
2025年は
- ゲーマー:32GB
- クリエイター:64GB
がスタンダードになりつつあります。
■ メモリ高騰への対策
■ 1. Amazonやショップの値動きを定期チェック
タイムセールやブラックフライデーで一時的に安くなる可能性があります。
■ 2. BTOは「メモリだけ自前」が安い場合が多い
BTOメーカーのアップグレード料金は高めなので
本体は16GB→自分で32GBに増設
という戦略が有効。
■ 3. 高クロック帯にこだわらない
- 5600MHz
- 6000MHz
あたりは値上がり幅が小さめでコスパ良好。
■ 4. DDR4ユーザーは中古市場を活用
メモリ高騰期は中古が強い選択肢になります。
- メルカリ
- ヤフオク!
- PCショップの中古コーナー
などでは 「DDR4-3200 16GB×2」 といった人気構成が比較的安く入手可能。
ただし:
- 出品者の評価
- 返品保証
- 動作確認の有無
などを必ずチェックし、トラブルを避けるべきです。
■ まとめ:2025年は“高値圏”を覚悟しておくべき
この記事のポイント
- AI需要・減産・円安でメモリ価格は上昇
- 半年程度は高値圏が続く見込み
- ゲーマーは32GBが標準へ
- 中古活用やBTOのメモリ自前戦略が有効
- 必要な人は早めに買うほうが結果的に得